【業界分析】道路舗装セクター [三井住建道路、日本道路、世紀東急工業に注目]

業績レビュー
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前田道路にTOB

1883 前田道路に対して株主である1824 前田建設工業が2020年1月20日にTOBを表明したことにより前田道路はもちろん、それにつれて、他の道路舗装会社の株価も上昇しています。

株価チャートは2020年1月24日時点の週足で期間は1年です。

前田建設は今月20日にTOBを実施すると発表。1株3950円で、3月4日を期限に前田道路株の買い付けに踏み切った。前田道路への出資比率を25%から51%に引き上げて連結子会社にする方針。一方、前田道路は今月20日に前田建設が持つ前田道路の株式を全て取得して、資本提携を解消する方針を示している。

(日本経済新聞 2020年1月24日)
(SBI Hyperによる株価チャート、週足一年)

第二の前田道路を探すべく、まず、道路舗装会社の強みから見ていきます。

道路舗装会社の強み

道路舗装会社は長期保有にもってこいと考えています。

成長性こそありませんが、事業の競争はけして激しくなく、安定してキャッシュを生み出しています。その要因は以下の道路舗装会社の強みによるものと思います。

インフラ産業である

景気の変動による影響を受けにくく、逆に景気が悪くても、足元のように景気への梃入れを行うために補正予算が組まれます。

需要について、伸びはなくても新規と張替えで半永久的に見込める

日本という国を考えると長期で需要の伸びを見込むのは難しくても、一定の新規需要や定期的な張替えで需要が半永久的といっても良いと思いますが見込めます。

技術の進歩は緩やか

年々舗装の質は上がっているとはいえ、他の産業と比較してみるとその技術の進歩は緩やかで、安定しています。

新規参入は考えにくく、参入障壁が高い

この事業に新規での参入は考えにくく、これまでに積み上げてきた施工実績が高い参入障壁となります。

業界内での競争が激しくない

悪く言えば談合体質です。

比較対象

会社四季報を見て道路舗装会社と思しき会社をピックアップしています。全て拾うつもりでピックアップしましたが、漏れはあるかもしれません。会社コード順です。

1776 三井住建道路(道路舗装会社。三井住友建設の子会社。2003年に三井道路と住建道路が合併。)

1881 NIPPO(国内最大手の道路舗装会社。JXTGホールディングスの子会社。)

1882 東亜道路工業(道路舗装会社。独立系。)

1883 前田道路(国内2位の道路舗装会社。前田建設工業系列。)

1884 日本道路(国内3位の道路舗装会社。清水建設系列。)

1898 世紀東急工業(道路舗装会社。東急グループ。)

売上高営業利益率の推移

グラフは、2月末決算データで、売上高営業利益率の推移を見ています(2020/03期は予想)。

(マネックス銘柄スカウターのデータより筆者作成)

2019/03期は、三井住建道路以外の5社が非上場の大成ロテック、大林道路、鹿島道路とともに、独占禁止法違反による営業停止命令を受けるなど、全体的に業績下落傾向でした。2020/03期はやや持ち直す見込みです。

建設業界全体の売上高営業利益率の平均は約7%なので、道路舗装セクターは並といったところです。

概ね安定しているといって良いのではないでしょうか。

現金同等物の推移

会社の事業規模および時価総額の水準に大きな差があるため、売上高見合いで調整し何か月分のキャッシュ残高があるかを見て、過去5期の推移を比較しています。(年末の現金同等物をその年の月平均売上高で除しています。)

5期前との比較で、1881 NIPPOは微増ですが、他の5社は1~2.5ヵ月分の幅にあったキャッシュの残高が2.5~4ヵ月分と大幅に積み上がっています。各社とも概ね右肩上がりです。

TOBがかかっている1883 前田道路はほぼ4ヵ月分です。

(マネックス銘柄スカウターのデータより筆者作成)

資本関係見直しの可能性

続いて資本関係を確認していきます。データは2020年会社四季報新春号です。

コード177618811882188318841898
会社名三井住建道路NIPPO東亜道路工業前田道路日本道路世紀東急工業
大株主比率54%57%独立系23%22%22%
コード18215020182418031720
会社名三井住友建設JXTG前田建設工業清水建設東急建設

今回のTOBでは前田建設工業が前田道路への出資比率を51%にまで引き上げ、連結子会社にすると発表しています(2020年1月24日時点)。

過去には、2017年にゼネコン最大手の1802 大林組が当時42%保有していた大林道路(コード1896、その後上場廃止)をTOBにより完全子会社化しています。

また、道路舗装セクターでは、大成ロテックが2009年に、鹿島道路が2010年に、それぞれ1801 大成建設、1812 鹿島建設の完全子会社になっています。

  • 親子上場に対する批判と解消の動き
  • 子会社である道路会社が保有する潤沢なキャッシュ
  • 建設会社と道路会社とのシナジー

という観点から、引き続き、他の道路会社でも建設会社との資本関係の見直しが行われることも十分に考えられるのではないでしょうか。

大株主が建設会社であるのは、前田道路の他、三井住建道路、日本道路、世紀東急工業です。

まとめ

道路舗装セクターはその強みから業績の安定が見込まれ、ここ数年でキャッシュを積み上げています。

また、実例として、建設会社が道路舗装会社を完全子会社化または子会社化することでシナジーを追求するケースが見受けられます。

このセクターで、引き続き資本関係の見直しが行われる可能性は高いと考え、大株主が建設会社である、三井住建道路、日本道路、世紀東急工業に注目しています。

その他参考データ

比較のための参考データです。

PCFR以外は2020年会社四季報新春号を参照しています。(株価は2019年11月15日時点、財務データは2019/03期、または2020/03予想。時価総額、売上高、有利子負債、現金同等物の単位は億円。)

PCFR(株価キャッシュフロー倍率)の分母は過去5期の営業キャッシュフローの平均(マネックス証券銘柄スカウターデータを使用)です。

コード177618811882188318841898
会社名三井住建道路NIPPO東亜道路工業前田道路日本道路世紀東急工業
株価7702,2383,5352,5217,000898
時価総額712,6721842,247683362
売上高3524,2001,0652,2801,500780
PER予7.010.34.611.68.06.1
PBR0.70.80.51.00.51.1
自己資本比45%68%48%77%58%47%
ROE予9.3%7.7%9.9%8.9%8.6%17.8%
有利子負債0226409913
現金同等物891,079204722371157
PCFR5.211.43.29.09.76.6
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