(当記事の数字や判断は2020年10月時点のものです。投資は自己責任でお願いいたします。)
プラチナ価格が長期的には騰がる期待
プラチナといえば、プラチナカードなど、ゴールド>シルバー>ブロンズを超えるステイタスを表す金属・商品ですが、価格が高かったのは過去の話です。
プラチナはジュエリーとしてよりも工業用途として使われており、主には自動車の触媒用途です。過去にプラチナが高かったこともあり、
触媒の能力要求が低いガソリン車にはパラジウムが代わって、ディーゼル車には引き続きプラチナが、使われています。
最近ではプラチナはディーゼル車の割合が高い欧州での販売低迷による需要減少のため価格が低迷し、一方、パラジウムは供給不足により価格が高騰しています。
パラジウムは副産物のため供給を増やすのは困難であり、そのため価格の高騰が続くとすれば、ガソリン車のモデルチェンジなどの機会を経て、いずれ相対的に価格が安く触媒の能力が高いプラチナの需要が増えることは十分考えられます。また、水素をエネルギー源とした燃料電気自動車にはプラチナが使用されるため、将来的には新たな需要の機会も期待できます。
先の話ではありますが、プラチナ価格が騰がる期待をもって、今のうちから少しずつでもプラチナを買っておきたい、では何を買うのがいい、というのが今回の検討です。
選択肢は日本で上場している3つのETF
プラチナそのものの価値は同じでも、どのような形で投資をするか方法は様々です。
手段として大きく、
- プラチナ現物
- 投資信託
に分けられます。
プラチナ現物
インゴットやコインなどプラチナの現物を直に保有する形です。実物資産としての重量感(感じてみたい)や見た目のキラキラに惹かれます。メリットとして手元においておけば預託先に関するリスクはないし、いつでも触って眺められます。(逆に盗難や紛失のリスクはありますね。)
最初から実物の塊だとロットが大きくなってしまうので、その前段階もしくは代替として貴金属会社や証券会社の口座で積立やスポット購入という選択肢もあります。
デメリットとしては、流動性が低めで手数料が高め、また売却時に株式との損益通算ができないなど税法上の取り扱いが別になってしまうことです。
投資信託
プラチナに限らずですが商品が世界中でドル建てで取引されていることを考えれば、ドル建てのETF(上場投資信託)が一番良さそうに思います。
ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場されている、
PPLT:アバディーン・スタンダード・フィジカル・プラチナ・シェアーズETF
アバディーン・スタンダード・フィジカル・プラチナ・シェアーズETF(Aberdeen Standard Physical Platinum Shares ETF)は、米国籍のETF(上場投資信託)。プラチナ地金価格(信託費用控除後)に連動する投資成果を目指す。費用効果の高い便利な白金投資を希望する投資家向けに受益証券を販売。ロンドン白金・パラジウム市場(LPPM)の市場受渡適合品(グッド・デリバリー・バー)のみを保有。
(PPLT概要、Bloombergより引用)
の一択と思いましたが、扱っている証券会社が見当たりません。
マネックス証券の米国株取引サービスの銘柄追加にPPLT取扱いのリクエストをしたところ、
ご連絡いただきました「PPLT」の当社におけるお取扱いにつきまして確認いたしましたが、恐れ入りますが、金融庁に届出がされていないETFのため、現状対応ができない状況でございます。
(マネックス証券米国株取引サービスの取扱銘柄追加リクエスト回答)
と、金融庁への届出がないため取扱いできないことがわかりました。
となると、選択肢は日本で上場している以下の3つのETFになります。(プラチナを対象としているもので、ETFではない、いわゆる一般的な投資信託は検索した限りでは見つかりませんでした。)
- 1541:純プラチナ上場信託
- 1674:WisdomTree 白金上場投資信託
- 1682:NEXT FUNDS 日経・JPX白金指数連動型上場投信
ETFであれば、手持ちの証券口座で通常の株式と同じように売買できますし、損益通算についても同様の取り扱いになります。
投資ポートフォリオの一部を振り分けるとするなら、プラチナ現物よりもETF(上場投資信託)のほうが良さそうです。
1541:純プラチナ上場信託(三菱UFJ信託)にしました
プラチナを対象としている3つのETFを比較していきます。(以下の2つの表中の説明および数値は会社四季報2020年秋号を参照しています。)
コード | 名称 | 運用会社 | 特色 |
1541 | 純プラチナ上場信託 | 三菱UFJ信託銀行 | 東京商品取引所におけるプラチナ先物を対象指数とするETF |
1674 | WisdomTree 白金上場投資信託 | ウィズダムツリー・マネジメント・ジャージー・リミテッド | 円換算したロンドン市場のプラチナ価格を対象指数とするETF |
1682 | NEXT FUNDS 日経・JPX白金指数連動型上場投信 | 野村アセットマネジメント | 東京商品取引所におけるプラチナ先物を対象指数とするETF |
運用会社はウィズダムツリーが抜けているかなと思います。続いて、総資産残高、月間売買、経費率をチェックします。
コード | 名称 | 純資産残高 | 月間売買 | 経費率 |
1541 | 純プラチナ上場信託 | 約110億円 | 約40億円 | 0.5% |
1674 | WisdomTree 白金上場投資信託 | 約560億円 | 約1.3億円 | 0.49% |
1682 | NEXT FUNDS 日経・JPX白金指数連動型上場投信 | 約4.3億円 | 約1.3億円 | 0.45% |
ポートフォリオの一部として長期保有を前提とすれば、経費率が低い1682(野村アセット)にしたいところですが、総資産残高の4億円は投資信託を維持していくには小さすぎます。(年間経費200万足らずで運営できるものなのでしょうか。)
総資産残高であれば1674(ウィズダムツリー)ですが、月間売買額が少なく、出来高は少ない日には100口未満(2020年10月の平均430口/日程度)しかありません。ザラ場を数日見た限りで売り買いのスプレッドが1%以上空いていることもありました。
一方、1541(三菱UFJ)は経費率は一番高くなりますがその差は小さく、総資産残高は1674(ウィズダムツリー)に劣るものの出来高は十分(2020年10月の平均58000口/日超)です。
今回、投資対象として、
1541:純プラチナ上場信託(三菱UFJ信託)
をポートフォリオに加えることにしました。
まとめ
プラチナの工業用途の立ち位置と将来的にプラチナ価格が騰がる期待をもって、1541:純プラチナ上場信託(三菱UFJ信託)がポートフォリオに加わりました。(2020年10月末現在)
先の長い話なので、毎月少しずつでも買っていこうと思います。