(2019.07.26 持ち物および総会の出席者規模のカテゴリー分けを追記しました)
(2020.07.14 QRコードの読み取りによる議決権行使の方法など更新いたしました)
目的
株主総会って通常平日の昼間に開催されることもあって、興味があっても、わりと出席したことがある人は限られているんじゃないか、という仮説のもと、株主総会出席のハードルを気持ちわずかでも下げるため株主総会ってどんなものか記事にしてみようと思います。
株主総会について
日程:基本は月後半の平日
3月期末の会社であれば、
- 概ね5月の半ばに決算発表があって、
- 5月の下旬から6月の上旬に開催通知と議決権行使書が送られてきて、
- 6月後半に株主総会が開催される流れ
になります。
基本は平日開催で、2019年3月期であれば6月25~27日(2020年3月期であれば6月24~26日)に集中していました。
集中日にはどこの会社に出席しようか迷います。私はやりませんが、掛け持ちで出席する強者も少なからずいらっしゃいます。
マネックスグループ株式会社(8698)のように、サラリーマン株主が出席しやすい週末開催の会社もあります。
時間:10時開会で12時頃には終わるのが通常
開会時間
基本的には10時開会で、受付は1時間前くらいからです。(11時開会のケースもありました。)
私は開会の30分から15分くらい前までの間に行くようにしています。
せっかく行くからにはその企業を知る機会として、会場の準備状況や従業員の様子を観察したり、中には事業紹介のためのブースや展示などを用意してくれている企業もありますので、そこで話を伺ったりしています。
閉会時間
短いケースで1時間以内、長いケースでも2時間少し超えるくらいです。
Q&Aが長くなり、2時間近くなってくると会場の雰囲気としてもだれてくるのですが、頃合いを見て議長が「質問はあと2名でお願いします」といような進行で、遅くとも12時過ぎくらいには終了します。
勤務地から近い会場であれば、午前半休で出席できます。今まで出たことないよ、というかたも是非出席ご検討ください。
企業で大問題が発生していたりすると、途中休憩をはさんだり(2019年LIXILグループ)、5時間たっても終わらない(2011年東京電力)こともあるようですが、幸運にも未だそのようなケースには当たったことはありません。
日にちをピークからずらしたり、時間を夕方~夜間開催にしてくれれば、もっと出席しやすくなるのですが、企業の株主総会担当部署の方、ぜひご検討をお願いいたします。
会場:ホテルが一般的
多くはホテルの大ホールもしくは貸会議室で行われます。
中には企業が所有している施設や、企業の中の会議室で行われるケースもありました。

ドレスコード:特に決まりはありません
基本は自由です。特に決まりはありません。
普通にカジュアルの方もいれば、ビジネスカジュアル(シャツにジャケットくらい)や普通にスーツに(男性であれば)ネクタイの方もいます。
Tシャツ・短パン・サンダルだからといって入口で止められることは(おそらく)無いと思います。(裁量は主催の企業側にあると思いますので、その点よろしくお願いします。)
私は株主総会は一つのビジネスミーティングと考えていて、株主として前に座っている企業の経営側と対等でありたいので、 時期的に暑くてもジャケットくらいは着ていきます。そんな個人の勝手な思いも含めてそれぞれではないかと思います。
持ち物:議決権行使書
株主総会の招集通知と一緒に議決権行使書が送られてきます。
株主総会に出席する場合
議決権行使書の賛否に〇をして当日持参しましょう。
受付で議決権行使書と引き換えに出席票(もしくは入場証など)を受け取ります。
出席票には出席番号が書いてあり、Q&Aで質問をする場合は一般にその番号と名前を伝えます。
株主総会には出席できない場合
株主総会に出席できなくても、株主の権利なので積極的に議決権を行使しましょう。
株主総会に出席できず、議決権だけ行使する株主のほうが人数として圧倒的に多いです。
議決権行使書がハガキになっているので、賛否に〇をして返送するか、最近はかなりの割合でインターネットに対応しています。
一部、ネットから議決権行使書に記載されているアドレスから株主番号やパスワード等の情報を入力して投票する旧来型も残っていますが、QRコードを読み取ることで株主を認識し賛否の選択のみで投票できる形が主流です。
その他の持ち物
招集通知
飲み物(入場時に配られる場合もあります。)
ノート、ペン
お土産:廃止の方向です
以前はどの会社の株主総会でもお土産が出ていたようですが、世の流れとしては廃止の方向です。招集通知などにお土産は廃止していますと書かれていることが多いです。
2019年5月・6月に出席した10社中、4社でお土産がありました。 (2020年は新型コロナ対策の一環として、出席した中ではお土産はありませんでした。)
株主と企業の関係という観点から廃止が妥当と考えますが、扱っている商品をお土産にして事業の内容を知ってもらおうというのは良いですね。(2019年に出席した10社の中では、JALUX、三越伊勢丹、平安レイ、はそのケースでした。)
準備の時間と費用もバカにならないですし、それよりも企業の価値をあげてもらいましょう。

株主総会の出席者:規模によるカテゴリー分け
会社によって様々です。その企業の事業による違いが大きいです。
独断と偏見で4つのカテゴリーに分けてみました。(2019年のケースです。2020年は新型コロナの影響で出席者を大幅に絞っており、大きく変容しています。)
カテゴリー1:1000人以上
その事業のお客さまが一般の個人(BtC)の場合で、事業が全国規模であれば、日本全国のお客さまもファンとして株主になって、出席者が千人を超える規模になることもあります。
お客さま株主に長期の保有を促すために、魅力的な株主優待の制度を導入していることも少なくありません。
出席している株主も、その事業のお客さまの客層に近い方が多くなります。
株主総会の出席が初めてであれば、一番、参加しやすいカテゴリーと思います。
ただ難点は、出席者が多く、その分Q&Aで手をあげる質問者も多くなるため、時間は長くなる傾向にあります。2時間はしっかりかかると見たほうが良いでしょう。
カテゴリー2:200人~1000人未満
その事業のお客さまが企業(BtB)の場合ですと、株主優待目当ての場合を除けば、純投資の株主の割合が多くなります。
そこで、事業エリアが全国もしくはグローバルにまたがっていて認知度が高いと、出席者は数百人規模になります。
質問も事業そのものに関するものが中心で、ビジネスミーティングの雰囲気に一番近いものになります。
カテゴリー3:100人弱~200人
その事業のお客さまが一般の個人(BtC)の場合で、事業規模もしくはエリアが限定されている場合、一部のお客さまファン株主や純投資の株主など、出席者は100人弱から多くても200人弱の規模になります。
質問もお客さま目線のものが多く、雰囲気も穏やかです。
零細株主として出席するのであれば、一番お勧めのカテゴリーです。
カテゴリー4:50人未満~100人弱
その事業のお客さまが企業(BtB)の場合で、 事業規模が小さかったり認知度が低いと、出席者は30人とか多くても100人未満の規模になります。
多くは社員株主や、協力会社、関連会社、持ち合いの銀行などの株主で、スーツ率が圧倒的に高くなります。
全ての企業ではありませんが、総会そのものの規模が小さいため、株主とのエンゲージメント(対話)という点であまり積極的ではない、もしくは後ろ向きの企業もあり、逆にそういう企業ほど何かのきっかけで変わってくれたら株価なんてすぐ上がるんじゃないかと、保有している中で一番期待しているカテゴリーでもあります。
総会として出席するのに、正直、あまり気分の良いカテゴリーではありません。
お土産による影響
もちろんお土産の有無は、出席者の人数および層に影響します。
お土産が出ることで、一般の株主(要は社員株主や取引先などの業務の一環で出席している株主以外)の出席が増えるので、その分穏やかな雰囲気になる効果があります。
株主総会の雰囲気のためには、徐々に過去のものになってきていますが、お土産の習慣も悪くなかったのかもしれません。
後記
1人でも多くの一般の株主が株主総会に出席してくれるようになることを期待しています。
企業の株主総会担当部署の方は、自分の会社の株主総会には切り盛りのため毎回参加していても、なかなか他の会社の株主総会を見る機会もない方もいらっしゃると思います。
そのような方にも、少しでも何かの参考にもなってほしいと思っています。(実際、他の株主総会を見たことないんじゃないかと思うような企業もあるため。もちろん実際に他の会社の総会に出席するのが一番です。)
偉そうに書いていますが(もちろんそんなつもりはありません)、筆者自身も株主として株主総会に出席するようになったのは最近です。
また、零細株主目線で見ていますので、大株主の方や企業株主の代理で出席されている社員の方の視点とは異なる部分もあると思います。
上記、もろもろご容赦ください。
参考になるかどうかわかりませんが、以下の株主総会のカテゴリーに当記事と出席した株主総会の記録を残しています。
零細株主生活 カテゴリー「株主総会」