概要
日本たばこ産業株式会社(世界4位のタバコ販売会社。「多様な価値を提供するグローバル成長企業」を目指し、グローバル展開の「たばこ事業」を中核に医薬・食品事業を営む。)
第36期:2020年12月期
定時株主総会:2021年3月24日
インターネット議決権行使:可(三菱UFJ信託銀行)
選択した議決権行使の方法:インターネット
議決権行使
議決権行使の内容は以下の通り。
会場
ザ・プリンス パークタワー東京 地下2階 ボールルーム (芝公園駅徒歩7分)
今回、議決権行使は事前にインターネットで済ませ、オンライン視聴による参加のため会場の様子はわかりません。
株主総会
事業報告
報告の形式
スライド投影中は会場が見えていなかったので推測ですが、議長がスライドによる説明を口頭で行っていたものと思われます。
報告内容
以下にメモを添付いたします。(手抜きで失礼いたします。)
2020年度総括
当初計画比+
為替一定調整後の営業利益+5.5%
キャッシュフローは安定的(と認識)
経営計画2021
一桁台後半の営業利益
RMC(紙巻たばこ):キャッシュ創出の源泉
RRP(電子タバコ他):事業成長の柱
加熱式たばこ(HTS:RRPの一部)と紙巻きたばこ(RMC)に経営資源を集中
たばこ事業の運営体制の強化
海外及び国内体制の一本化
国内の体制強化
医薬
ロイヤルティー収入の減少が見込まれ厳しい
加工食品事業
選択と集中、生産体制の向上を実施する
経営配分方針
株主還元に関する方針を変更した
一株当たりの配当金額→配当性向(75%)
事業投資の方向性と2021年株主還元
持続的な利益成長の実現に向けた事業投資の実行
一株当たりの配当金130円ヘリベース
サステナビリティへの取り組み
SDGs(9つ)への貢献
経営に対する思い
4Sモデルの追求の経営理念(お客様を中心に、株主、従業員、社会)
配当減額に対し社内経営陣の報酬減額
議案決議
議案説明
議案については招集通知をご確認ください。よろしければ上に貼ってある議決権行使もご参照ください。
Q&A
以下に概要を記していますが、聞き取りおよびメモの取り間違いはご容赦ください。(括弧)内は筆者の理解に基づく補足です。

フリーキャッシュフローが5000億あったが、2021年に予定している設備投資・研究開発等について教えてほしい。
10年後・20年後に向けた計画も教えてほしい。

2021年の設備投資(予算)は1400億円規模で海外・国内の設備に対する投資。2020年にコロナ等で実行できなかった先送り分も含んでいる。
研究開発費用については、2020年実績として600億円規模で、内訳は概ねたばこ400・医薬200・食品僅か。2021年計画について公表は控えるが同程度と考えている。
10年後・20年後についてはお答えできるものはない。

ESGの観点からネガティブなイメージを持たれている。
CSRについては東洋経済のデータで4位という(プラスの)評価もあるが、株価に結びついていない。
機関投資家へのアピールが足りないのではないか。
実施してほしい。

投資の対象から外され、ダイベストメントの動きがあることについては認識している。
業績・ESGへの対応などをしっかり示していく。
また、グローバルに見てたばこ会社全般の株価は弱含んでいることもある。
ESGのSに注視し、銀行や機関との対話を積極的に実施していく。

為替レートの影響を開示してもらえないか。

(海外子会社の)換算部分の影響が7割、取引の変動影響が残り。
2020年は577億円のネガティブな影響があった。(詳細な内訳についてメモ取り切れず。主に、対ロシアや米国など。)

(しっかりと事業投資を行っていくということで)配当性向への方針変更があった。
(それは理解もするが、そうであれば)明確な事業目標を説明してほしい。

背景として、当社が掲げる4Sモデルとして強固な財務基盤の確立が求められているが、そのバランスが崩れていた。
(方針の変更は)利益の増加が前提になっていることは認識している。
事業目標については数値の提示は出来ない。
(説明は戦略に留まる。些末な印象。)

大規模リストラ(国内の構造改革)はなぜコロナ禍の今なのか。
企業の社会的責任という観点から心証が悪くなるのではないか。

5年で1/3の(国内?)需要が無くなっており、将来の競争力のために必須と考えている。
(経営として)厳しい決断だった。将来(の事業規模)に見合ったものにしていく。
3000人の雇用に影響がでるが、転職支援や退職割増金などしっかり対応する。
採決
議案ごとに、拍手、議決権行使書による賛成も含め、原案通り可決
配当金についてはこの後財務大臣の認可が必要と説明がありました。(他社と同様、通常通り、総会翌日には証券口座に入金がありました。)
新任役員紹介後、11:03に閉会。
後記
今回、経営配分方針として配当金額から配当性向へ見直し、持続的な利益成長の実現に向けた事業投資を実行していくと説明がありました。
方針そのものは、あるべき姿と思います。
これまでは配当をしっかり払うことにより、多少見逃されていたように思いますが、今後の事業方針について、より一層株主と共有していくことが求められると思います。
この観点で事業投資に関する株主質問がありましたが、例示に留まり具体的な計画の説明はありませんでした。今後の事業投資について、中期計画などにおいて包括的な数値目標の共有が期待されます。