概要
住友電設株式会社(送配変電・ビル・工場の設備工事、関連のエンジニアリングサービス、機器の販売等を展開。住友電気工業の子会社。)
第95期:2020年3月期
定時株主総会:2020年6月24日
インターネット議決権行使:可(三井住友信託銀行)
議決権行使の方法:インターネット
議決権行使の基準
以下の基本方針に基づいて議決権行使いたします。
招集通知
議決権行使の結果
招集通知と同封されている資料があればそれを基に議決権の行使を行っています。
それら以外では、マネックス証券の銘柄スカウターや当社の決算短信、ある場合には決算説明資料等も参考にしています。
第1号議案:剰余金処分の件:反対
一株当たりの配当金40円(通期で70円、総額約25億円)
前期の60円から10円の増配(+17%)
確認した範囲で2014年3月期以降、7期連続で増配継続中
提案には上記の配当に関する件とは別に、80億円の繰越利益剰余金から別途積立金への振り替えが含まれる(経営基盤の強化を目的)
配当性向約25.5%(配当性向に関する方針の記述は見当たらない)
自社株買い等に関するリリース無し
現金等残高は約300億円(他に投資有価証券約150億円、短期貸付金約130億円)
有利子負債31億円
自己資本比率53%
第2号議案:役員賞与支給の件:反対
事業年度末時点の社外取締役を除く取締役6名に対し総額140百万円
会社の業績を勘案すれば賞与を支給することは理解するが、一方の低い配当性向など株主への還元姿勢と比較し、バランスを欠いているように見える。
総じて、提案には同意しない。
第3号議案:取締役8名選任の件:反対
第4号議案:監査役1名選任の件:反対
第3~4号議案について、取締役・監査役の選任に関する議案は選任後の主に取締役会の全体像を基に一括で判断する。
独立した社外取締役の割合は基準としている1/3を満たしている(3/8)。しかしながら社外取締役のうち1名は親会社である住友電気工業出身で、独立しているとは言い難い。
女性取締役は1名。
選任理由にについて候補者について一人一人の選任理由が丁寧に記載されており好感が持てる。
親会社の住友電気工業出身者が多いのは理解できるし、その分社外取締役の役割が重要になるが、メンバー構成からガバナンスが有効に機能している取締役会というイメージは伝わらない。
提案には同意しない。
第5号議案:取締役及び監査役の報酬額改定の件:反対
月額で定められていた上限額を年額に変えるに際し、5~6割上げる提案
第3号議案同様の理由で、提案に同意しない。
議決権行使のための取り組み
議決権行使のための情報開示については、内容そのものや読みやすさなど、企業によって大きな差があります。
主に招集通知とその他の同封資料は企業側から株主に対するメッセージと考えていますが、それらが個人の零細株主目線で、議決権行使をするにあたってどれだけわかりやすいものになっていたかを何らかの形で記録として残したいため、上から目線で恐縮ですが、自身の判断で評価させていただきました。
A・B・C・Dの4段階です。
判定:C
今回の住友電設の招集通知の文字のサイズは大きめで読みやすい部類に入ります。
候補者に関する説明は丁寧ですが、事業報告における事業の経過及び成果の説明や、対処すべき課題についても抽象的で物足りません。
また、今後どのように経営していきたいのかという社長からのメッセージや株主に対するコミュニケーションなどは特段ありません。
総合的に鑑みC判定とさせていただきました。
投資CFのマイナスは短期貸付金の増減によりばらつきが大きく資金のニーズを推しはかる参考にならないため、設備投資額の推移を確認する。確認した範囲で、2011年3月期以降、2014年3月期と2019年3月期は20億円水準だが例年は10億円未満に収まっている。
一方、営業CFはばらつきはあるが過去5期の平均で59億円と設備投資や株主還元を賄うのに十分な水準。
配当性向は基準としている30%を下回っている。
特に近年は現金等残高を積み上げている状況。短期貸付金について説明は見当たらないが、親会社の住友電気工業に短期借入金があり、それではないかと推察している。
これらと投資有価証券と合わせ約580億円の多くが企業のために十分に活かされているとは言い難い。企業価値向上につなげてほしい。
提案には同意しない。