概要
三井化学株式会社(大手総合化学メーカー。モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージング、基盤素材の4事業を展開。)
第23期:2020年3月期
定時株主総会:2020年6月24日
インターネット議決権行使:可(三井住友信託銀行)
議決権行使の方法:インターネット
議決権行使の基準
以下の基本方針に基づいて議決権行使いたします。
招集通知
議決権行使の結果
招集通知と同封されている資料があればそれを基に議決権の行使を行っています。
それら以外では、マネックス証券の銘柄スカウターや当社の決算短信、ある場合には決算説明資料等も参考にしています。
第1号議案:剰余金処分の件:賛成
一株当たりの配当金50円(通期で100円、総額約190億円)
前期から変わらず
配当性向約51%(自社株買い等も含め、総還元性向の30%を目標としている)
2020年2~4月に約100億円(約440万株)の自社株買いを実施
現金等残高は約1500億円(他に投資有価証券約1100億円)
有利子負債約5500億円
自己資本比率36%

第2号議案:取締役8名選任の件:賛成
第3号議案:監査役1名選任の件:賛成
第2~3号議案について、取締役・監査役の選任に関する議案は選任後の主に取締役会の全体像を基に一括で判断する。
独立した社外取締役の割合は基準としている1/3を満たしている(3/8)。
女性取締役は2名。
選任理由には、一取締役としての期待や役割が記載されていることが望ましい。候補者について一人一人の選任理由は説明の点でやや物足りないが、監査役を含めた全体としてバランスの良さが見受けられる。
総じて、提案に同意する。
議決権行使のための取り組み
議決権行使のための情報開示については、内容そのものや読みやすさなど、企業によって大きな差があります。
主に招集通知とその他の同封資料は企業側から株主に対するメッセージと考えていますが、それらが個人の零細株主目線で、議決権行使をするにあたってどれだけわかりやすいものになっていたかを何らかの形で記録として残したいため、上から目線で恐縮ですが、自身の判断で評価させていただきました。
A・B・C・Dの4段階です。
判定:A
今回の三井化学の招集通知は全体として、とても読みやすいものです。
剰余金処分の提案については、上に添付した目標としている総還元性向や事業継続に資金を必要とする設備投資、研究開発費の推移のグラフがあり、また、取締役・監査役選任の提案については、候補者それぞれの説明に加え、特に監査役について今回選任の対象になっていない方も含めた一覧表があり、議決権行使の検討をスムースに行うことが出来ています。
冒頭には社長からのメッセージ、中ほどには環境・社会貢献についての説明があります。事業報告についても、セグメントそれぞれについて丁寧に書かれています。
A判定とさせていただきました。
個人投資家として、議決権行使にあたり、招集通知における議案の説明がこのように簡潔で丁寧だと助かります。
投資CFのマイナスは過去5期の平均で600億円水準で360~850億円と年による幅があるが、概ね資金のニーズは高い。2020年3月期の設備投資総額は760億円で、製造設備の新増設、更新、合理化等に係るものとなっている。
営業CFは過去5期の平均は1100億円水準で、それ以前と比べ一段高いところで概ね安定している。
配当性向は基準としている30%を上回っている。現金等残高は増加傾向だが、2021年3月期の業績は悪化が予想されており、引き続きの設備投資と安定した研究開発費とのバランスを考えれば十分ではないか。
総じて、提案に同意する。