概要
日産自動車株式会社(日本を代表する世界有数の自動車メーカー、日産・三菱・ルノー連合で生産台数世界2位。仏ルノー社と資本参加を含む自動車事業全般にわたり提携、三菱自動車を含めた3社連合でグローバル戦略を遂行。)
第121期:2020年3月期
定時株主総会:2020年6月29日
インターネット議決権行使:可(三井住友信託銀行)
議決権行使の方法:インターネット
議決権行使の基準
以下の基本方針に基づいて議決権行使いたします。
招集通知
議決権行使の結果
招集通知と同封されている資料があればそれを基に議決権の行使を行っています。
それら以外では、マネックス証券の銘柄スカウターや当社の決算短信、ある場合には決算説明資料等も参考にしています。
議案:取締役全員任期満了につき12名選任の件:賛成
期末は無配(通期で10円、総額約390億円)
前期の57円から47円の減配(-82%)
赤字のため配当性向は計測不可(配当性向に関する方針の記述は見当たらない)
自社株買い等に関するリリース無し
現金等残高は約1兆6千億円(他に投資有価証券約1兆2千億円)
有利子負債約7兆9千億円
自己資本比率24%
議決権行使のための取り組み
議決権行使のための情報開示については、内容そのものや読みやすさなど、企業によって大きな差があります。
主に招集通知とその他の同封資料は企業側から株主に対するメッセージと考えていますが、それらが個人の零細株主目線で、議決権行使をするにあたってどれだけわかりやすいものになっていたかを何らかの形で記録として残したいため、上から目線で恐縮ですが、自身の判断で評価させていただきました。
A・B・C・Dの4段階です。
判定:C
今回の日産の招集通知は全体として読みやすいものです。
内容は最低限入れておくべきものにとどまっています。今後どのように経営していきたいのかという社長からのメッセージや株主に対するコミュニケーションなどは特段ありません。
議案の取締役の紹介は一人一人の説明が丁寧でスキルマトリックスもあり、わかりやすい内容です。
決算短信と同日に開示されている決算報告と構造改革の資料もあわせて確認しています。対処すべき課題でもあげている「最適化」や「選択と集中」は良いと思いますが、それが日産が企業として目指している社会的価値や、掲げるミッションやビジョンとどのように繋がっていくのか見えません。
総合的に鑑み、C判定とさせていただきました。
独立した社外取締役の割合は基準としている1/3を満たしている(7/12)。
女性取締役は2名。
取締役候補者についての選任理由の説明は、一人一人丁寧に書かれており好感が持てる。
取締役のスキルがマトリックスで表示されており、取締役メンバー全体のバランスだけでなく社内取締役と社外取締役の補完関係も良いことが見て取れる。
期末は無配で剰余金の処分についての議案がないため、収益状況についてもここで合わせて確認する。(基本データは欄外)
投資CFのマイナスは1兆円前後でリース車両の取得や売却・償還などにより多少ばらつきがあるが、設備投資額はその半分の5000億円程度で概ね安定している。2020年3月期の設備投資総額は約5100億円で、主には新商品、安全・環境対応に向けた新技術の研究開発及び効率的な生産体制の確立等に係るものとなっている。
営業CFは概ね安定しており、過去5期の平均は約1兆2千億円と投資CFを賄える水準。
2020年3月期においては、販売台数の減少によりる収益圧迫に加え、第4四半期には新型コロナの影響を受け、また、構造改革費用および減損損失により7千億円近い当期純損失となっている。
2020年4~5月にかけては、新型コロナ対応として7千億円を超える資金調達を実施しており、足元の状況から期末無配は致し方ないと考える。
取締役の選任について、剰余金の処分と合わせ総合的に鑑み、構造改革における現経営体制への期待も込めて、提案に同意する。