概要
株式会社エフテック(自動車シャーシ部品メーカー、ホンダ系列。足廻り重要保安部品、シャーシシステム、二輪部品の製造販売。)
第65期:2020年3月期
定時株主総会:2020年6月24日
インターネット議決権行使:可(三井住友信託銀行)
議決権行使の方法:インターネット
議決権行使の基準
以下の基本方針に基づいて議決権行使いたします。
招集通知
議決権行使の結果
招集通知と同封されている資料があればそれを基に議決権の行使を行っています。
それら以外では、マネックス証券の銘柄スカウターや当社の決算短信、ある場合には決算説明資料等も参考にしています。
第1号議案:剰余金処分の件:反対
一株当たりの配当金10円(通期で20円、総額約4億円)
前期から変わらず(2017年3月期の記念配当を除き、2014年3月期以降横ばい)
配当性向約114%(配当性向は10%以上を目途としている)
自社株買い等に関するリリース無し
現金等残高は約59億円(他に有価証券および投資有価証券約60億円)
有利子負債約510億円
自己資本比率30%

第2号議案:定款一部変更の件:賛成
取締役報酬の規定から退職慰労金の削除するものと、執行役員についての規定を新たに定めるもの。
提案に同意する。
第3号議案:取締役5名選任の件:賛成
今回、取締役は11名から大幅に6名減員し、5名選任する提案。
独立した社外取締役の割合は基準としている1/3を満たしている(2/5)。
女性取締役は1名。
取締役候補者についての選任理由の説明はやや具体性に欠けており、また、社外取締役のうち一人は経営について十分な経験がある人をいれてほしいが、総人数の大幅な絞り込みはコーポレートガバナンス改善への期待を感じさせる。
総じて、提案に同意する。
第4号議案:取締役及び監査役の報酬額改定の件:賛成
第5号議案:取締役及び執行役員に対する業績連動型株式報酬制度導入に伴う報酬の額及び内容決定の件:賛成
第6号議案:退任取締役に対する退職慰労金贈呈並びに取締役及び監査役の役員退職慰労金制度廃止に伴う打ち切り支給の件:反対
第7号議案:役員賞与支給の件:反対
役員報酬に係る第4~7号議案について、
制度の変更または導入に伴う件について、変更そのものは基本的にポジティブに捉えている。
制度全体の理解が十分ではない部分もあると思うが、第4~5号議案については同意する。
一方、第1号議案でも触れたとおり、足元の業績は新型コロナ以前から悪化しており、経営管理及び説明も十分実施されているとは言えない状況から、結果を踏まえ、報酬についての提案には同意しない。
議決権行使のための取り組み
議決権行使のための情報開示については、内容そのものや読みやすさなど、企業によって大きな差があります。
主に招集通知とその他の同封資料は企業側から株主に対するメッセージと考えていますが、それらが個人の零細株主目線で、議決権行使をするにあたってどれだけわかりやすいものになっていたかを何らかの形で記録として残したいため、上から目線で恐縮ですが、自身の判断で評価させていただきました。
A・B・C・Dの4段階です。
判定:C
今回のエフテックの招集通知の文字のサイズは大きめで読みやすい部類に入ります。
冒頭末尾には社長からのメッセージ、また巻末には種々取り組みに関する活動報告など、株主に対するコミュニケーションはポジティブに捉えています。
一方、肝心の2020年3月期の事業報告の内容は業績の悪化の要因を伝えるものになっておらず、より一層重要になる対処すべき課題についても具体性の点で物足りません。
総合的に鑑みC判定とさせていただきました。
投資CFのマイナスは過去5期の平均で125億円。2020年3月期の設備投資総額は約120億円で、書かれていないが主には機械設備や金型等に係るものと思われる。
営業CFはばらつきはあるが過去5期の平均で140億円程度と投資CFを賄える水準。
2020年3月期の業績は新型コロナによるお客さまの生産停止の影響も受けているが、それ以前に(以下、営業利益および前年同期比)
と、第2四半期以降大幅に悪化しているが、事業報告の「事業の経過及び成果」(以下に添付)において触れられていない。売上高営業利益率における悪化が著しい.
配当以前に、悪化している事業の立て直しや、経営管理及び説明を十分実施してほしい。
提案には同意しない。