概要
日本BS放送株式会社(全国無料放送のBSデジタルハイビジョン放送「BS11(ビーエス・イレブン)」を運営。ビックカメラ傘下。)
第22期:2020年8月期
定時株主総会:2020年11月11日
インターネット議決権行使:可(みずほ信託銀行)
選択した議決権行使の方法:総会出席
議決権行使の基準
以下の基本方針に基づいて議決権行使いたします。
招集通知
議決権行使の結果
招集通知と同封されている資料があればそれを基に議決権の行使を行っています。
それら以外では、マネックス証券の銘柄スカウターや当社の決算短信、ある場合には決算説明資料等も参考にしています。
第1号議案:剰余金の処分の件:反対
一株当たりの配当金20円(中間配当無、総額約4億円)
前期から変わらず
配当性向約24%(基本方針に配当性向に関する記述はない)
自社株買い等に関するリリース無し
現金等残高は約110億円(他に投資有価証券約1億円)
有利子負債5億円
自己資本比率88%

第2号議案:取締役8名選任の件:賛成
第3号議案:補欠監査役1名選任の件:賛成
第2~3号議案について、取締役・監査役の選任に関する議案は一括で、選任後の全体像で判断する。
今回、取締役は7名から1名増員し、8名選任の提案。
独立した社外取締役の割合は基準としている1/3を満たしている(3/8)。
女性取締役は1名(山口香氏、柔道家)。
選任理由には、簡潔ではあるが求められている役割や期待が書かれている。取締役メンバー全体のバランスも良い。強いてあげれば、財務周りが弱い懸念がある。
総合的に鑑み、提案に同意する。
議決権行使のための取り組み
議決権行使のための情報開示については、内容そのものや読みやすさなど、企業によって大きな差があります。
主に招集通知とその他の同封資料は企業側から株主に対するメッセージと考えていますが、それらが個人の零細株主目線で、議決権行使をするにあたってどれだけわかりやすいものになっていたかを何らかの形で記録として残したいため、上から目線で恐縮ですが、自身の判断で評価させていただきました。
A・B・C・Dの4段階です。
判定:C
今回の日本BS放送の招集通知の文字のサイズは大きめで読みやすい部類に入ります。
前期は旧来型の小冊子で文字も小さく読みづらいものでしたし、取締役候補者について一覧表が追加されるなど改善されています。
一方、今後どのように経営していきたいのかという社長からのメッセージや株主に対するコミュニケーションなどは特段ありません。
また、対処すべき課題について、経営戦略実行のためと書かれていますが内容は事業戦略の域を出ておらず、経営の視点から物足りません。
総合的に鑑み、C判定とさせていただきました。
資金のニーズとして例年投資CFのマイナスは2億円程度だが、2020年8月期は映像関連設備の更新などで8億円と多め。設備投資額も8億円。
営業CFは設備投資を十分に賄える水準で推移しており、期末の現金等残高は、以下のグラフの青棒が示すように、毎年10億円ペースで積み上がっている。
前期の株主総会のQ&Aで将来の検討として4K放送対応には30億円の設備投資が必要になると話があったが、それを鑑みても、年間売り上げの約110億円と同水準の現金等残高は明らかに過剰に見える。
前期の議決権行使の際の考察と変わらず、企業価値拡大のために、潤沢な手元資金の有効利用に関して明確なアクションが期待される。
収益については、前期の時点で落ち込みを見せていた広告収入が新型コロナ禍でさらに落ち込み売上は減少しているが、利益率は逆に向上し、営業利益は悪かった前期を大きく上回っている(+29%)状況。
配当に関して、前期の時点でも十分ではないと考えていたところで今期は続けていた増配も止まってしまい、30%を超えていた配当性向も落ち込んでいる。
提案に同意できる余地はない。